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しのび寄る味覚障害の恐怖

毎日の食事、おいしく食べられていますか? 「最近、何を食べても美味しいと思わないなあ」と感じているのなら、味覚障害が起こっているのかもしれません。 甘いはずのものが苦く感じる、料理の味付けが薄く感じるなど、一概に味覚障害といっても、さまざまな症状があります。

◆味覚障害とは?

食は、生存に欠かせない大切な行為であるとともに、最大の快楽をもたらすものです。味を感じられない、味がおかしい、という症状をもたらす味覚障害は、生存に関わる重大な疾患です。

味覚障害となり、食物の味が感じられなくなると、食事の楽しみは全くなくなります。そのため、食欲減退、栄養障害となる可能性は非常に高くなります。また、少しでも味を感じようと、多量の調味料を使う方も多く、高血圧や糖尿病を併発する場合も多くあります。

◆亜鉛不足が原因

味覚障害の原因として考えられるもののうち、多いものは亜鉛不足とストレスと言われています。 舌の表面にある、味を感じる細胞を味蕾(みらい)といいますが、この味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなると、味覚障害があらわれます。

これは、体内にある亜鉛が不足したときに起こる症状で、偏った食生活による亜鉛の摂取不足や消化器疾患による亜鉛の吸収障害、腎臓の疾患による亜鉛の排泄の増加などによって引き起こされます。 特に、ファーストフードやコンビニ弁当を常食している若者が多く発症しているため、何らかの関連性があるのではと推察されています。

亜鉛不足になると、味覚障害の他にも脱毛症、生殖機能の低下、食欲不振、鉄欠乏性貧血、糖代謝異常などさまざまな障害があらわれ、感染症にもかかりやすくなります。 日頃から、亜鉛を多く含むカキ、大豆、ごま、海藻類などを積極的に摂取するように心がけるとよいでしょう。

◆過剰なストレスにも注意

そのほか、強大なストレスを感じたときも、味覚に異常をきたすといわれています。 特に、ストレスが原因の代表的な病である「うつ病」の場合、多くの方が味覚異常を体験しています。 「肉は,まるでゴムをかんでいるよう、魚は紙を食べているように感じる」など、深刻な状況である事を訴える声も多数あります。 ではなぜ、ストレスを感じると、味覚が失われてしまうのでしょうか?

ストレスは本来、外的との遭遇など命の危険に遭遇したときに感じるものとして備わっています。命に関わる危機的な状況では、危険に集中し、一瞬の隙を突いて逃げる必要があります。

そんな追い詰められた状況の中では、空腹などの欲求をセーブし、感じないようにする事が必要になるのです。 ストレスのレベルが、外敵に襲われて命の危険を感じた時に匹敵するものとなったとき、この味覚異常が出てくるものと思われます。

また、うつ病の際は、脳内の神経伝達物質セロトニンが減少し、脳のシナプスが情報をうまく伝達できず、味を正確に認知することができない状態が起こりやすくなっています。このことも、うつ病とともに味覚異常を発症する原因と考えられています。

うつ病は、早寝早起きの規則正しい生活と、適度な運動で症状が改善すると言われています。さらに、きちんとした食事をとることで劇的に症状が改善することも分かっています。 食事が食べられないことは、うつ病をさらに悪化させる要因にもなります。悪循環を断ち切るため、積極的な治療を受ける事が大切といえます。

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