Category : 病気のリスク

いまだ健在!?結核の現状は

明治時代から昭和20年代までは「国民病」といわれ、長く日本人の死亡原因のトップとして恐れられていた結核。効果の高い薬剤の開発、徹底した予防接種などにより、その数は当時の100分の1程度にまで激減しました。

しかし、人々の関心の低下や、新型の結核の出現などにより、依然として毎年、年間2万人以上が新たに結核患者となっています。 これは、米国の5倍、ドイツの3倍と、世界でも高い数値となっていて、既登録患者とあわせると日本全体で約5万人の方が現在、結核にかかっています。

◆結核に感染したらどうなるの?

結核は、感染したからといって、全ての人が発病するわけではありません。 BCG接種を受けた方では、感染後に発病するのは10パーセント程度とされています。 そもそも、結核菌を吸い込んでも必ず感染するわけではありません。 多くの場合、体の抵抗力により追い出されます。

しかし、しぶとく菌が体内に残ることがあります。その場合、体内の免疫が結核菌を取り囲み「核」を作ります。「結核」という名の由来はそこにあります。 結核菌が体内に残っていても、ほとんどの場合、免疫によって封じ込められたままで一生発病しません。 この、封じ込められたまま活動していない状態のことを感染といいます。 感染の状態では、他人にうつす事もないのです。

◆発病するとどうなるの?

では、発病するとどうなるのでしょうか? 結核は、多くの場合、肺に影響を及ぼします。肺の中で結核菌が増え続け、さまざまな炎症を起こし、やがて肺を破壊していくのです。 初期の症状はカゼと間違えられることが多いのですが、せき、たん、発熱などの症状が長く続くのが特徴です。また、体重が減る、食欲がない、寝汗をかく、など特有の症状もあります。

重症化すると、だるさや息切れ、血痰などが出始め、やがて血を吐く、呼吸困難に陥るなどの症状となり、死亡する場合もあります。 2週間以上咳が続くときは、結核の可能性がありますので、早期に病院を受診してください。早期に発見されれば、確実に完治させることが可能です。 結核は、空気感染する病です。もしもあなたが発病していた場合、あなたの周囲に多大な迷惑をかけてしまう可能性が大なのです。

◆どんな治療を行うの?

結核は通常、高結核治療薬を医師の指示通りに飲めば治ります。 医師から薬を止めても良いと言われるまで、処方された通りに薬を飲み続けることが大切です。 結核菌は簡単には消えない、しぶとさを持った菌です。 せきが止まったからもう大丈夫、などと勝手に薬を飲むのを止めてしまうと、結核菌が耐性を持ち、薬が効かない耐性結核菌へと変化してしまいます。この菌はとてもやっかいで、治療も長期化してしまうのです。

耐性結核は、通常の治療よりも多くの薬を、さらに長期間服用しなければならず、場合によっては、手術で病巣を切り取ることにもなりかねません。そうなると、長期の入院が必要となるのです。

多くの日本人は、結核は過去のものと考えてしまいがちなのですが、日本から結核がなくなる、いわゆる「制圧」の状態になるまでにはまだまだ50年はかかると言われています。今後も引き続き、結核についての注意は怠らないようにすることが大切といえます。

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